はじめまして。
自己紹介
わたしは神戸岡本のちいさな家をアトリエにして日々、創作しています。
小さなころから絵を描くことや、空想すること、ものがたりや言葉が好きで、気が付けばずっと絵を描き続けています。ときには挿絵のようなイラスト、ドローイング、色彩が好きなので顔料を使った絵。
そして大学で染織を専攻した関係で今は布にも絵を描くように染めて、オリジナルのファブリックを作ったりしています。三月まで小学校の図工の講師としてこどもたちに絵やものづくりを教えてもいました。
旅が好きで、学校に勤めだして、夏休みには貯めたお金でヨーロッパ一人旅や、フィンランドへ旅をしたりもしていました。10代や20代のころ、本が好きで海外について書かれた本なんかを読み漁っては、どんな町だろう、どんな人が住んでいるのだろう、異国の街を想像しては絵を描いたり、物語を考えたりしていました。
わたしには、どこか現実世界になじみきれないところがあって、いつもちょっと、どこか現実と離れたところで、生きてきたように思います。そしてそれがわたしにとって生きているという感じがするのです。
そんな自分の中のイメージや表現を何かのカタチで誰かに送りたいなぁと思っていて、誰かのための、服作りやファブリック作りをしているのかもしれないなとふと思ったりしています。
日本の民藝やアーツアンドクラフツ運動、北欧のこと。
日本の民藝は、型染めをはじめたときに、染色作家の「芹沢けい介」を知り、斬新なデザインにすっかり心酔してしまったところから、興味を抱き、河井寛次郎、バーナード・リーチ、棟方志功などを知り、ものづくりの本質を貫き通す考えに魅了されてしまった。そしてイギリスのアーツアンドクラフツ運動を起こした、ウィリアムモリスなども知りそういった手仕事のものづくりにあこがれをいだくようになって、今に至ります。
あとは大好きな陶芸家、ルーシー・リー。彼女の陶芸は本当に大好きです。生き方そのもののような美しいシルエットと色彩の器。心惹かれるものには作家自身といえる何かがあるのです。
イギリス、北欧、日本など国は違うのにものづくりやデザインはすべてに通じているようなところがあって、影響しあっているのだなぁなんて考えているのがたまらなく好き。
そんなことばかり考えていたらあっといいう間に一日は過ぎていきます。(笑)
岡本のアトリエのこと。
岡本にアトリエをかまえているのは、ちょっとした縁があって住んでいるのですが、海と山との挟まれた、落ち着いたまちです。山からの湧き水が溝を流れていていのししもいる。そんな自然の多いどこか素朴さの残る街ですがどこか文化的な、異国的な街。
暮らす場所もまたわたしにとって創作イメージにつながる大切なもの。
六甲山系の山々、自然、海、家から見える橋や、船の汽笛の音、石畳。
そんなひとつひとつが自分の栄養分となっています。
神戸は昔、海外へいくための港がありそこからシベリア鉄道でヨーロッパへ行ったというような、ちょっと別の国や場所とつながっているような空気がある場所です。
その、ここではないどこかに、ちょっとつながっているような感じ。
そんな街の空気が気に入っています。
皆川明さんのこと。
服作りやテキスタイルに関心をもったのはミナペルホネンの皆川さんに影響を受けたという経緯もあります。
ミナの服をみたのは京都の芸大に通っていた頃。染織の先輩がすごくいいよ!と教えてもらいミナの京都のお店にでかけたことがきっかけ。西洋風のビルの中のお店。
そこは外の雑踏とはまるで別の世界だった。
皆川明さんのものづくりへの深い思い、こだわり、そして詩のようなものづくりに強い衝撃を受けました。
たかが服ではなくて、そこに、作家の思いや、思想や、哲学とかそんなものさえ感じられるものづくりがあるんだと目からうろこだったのです。消費社会の現代的な「物」でなく、心のこもった「ものづくり」そこが感じられて、何度も通った思い入れのある場所です。
わたしのデザインやモチーフのこと。
some:tecoのデザインやものづくりはそういった作家たちのものづくり、自然の色彩やかたち、日常の記憶の断片から生まれています。鳥や植物が好きなので、そういうイメージが自然に表れてくることもあります。
何かを見てというより、今までの蓄積されたイメージや本やどこかでみた景色や、日常の日々の風景のなかからきっとふわりと生まれてくるような気がします。
ふとしたときにイメージがわいたり、描きながら、無意識で描いたり。
自分の感情のなかから生まれたりします。焦ってもいいデザインは生まれないし、ふと、とても気に入ったデザインが生まれることもあります。
長々と書いてしまいましたが、some:tecoのものづくりを、たくさんの人に知ってもらい、これから長く続けていけたらいいなと思っています。どうぞよろしくおねがいします。